私も1年目の頃、仕事の何がわからないのかがわからないことで、人知れず悩んだ経験があります。
自分は何がわかっていないのか上手く言語化できず、それを放置して仕事を進めた結果、かなり痛い失敗をしたことは数え切れないほどあります。
そんな私も今では仕事において何がわからないのかを、ある程度言語化して、わからないことはクリアにしながら、自分で仕事を進めて結果を出せるようになりました。
たくさん失敗した経験から、「仕事の何がわからないのかわからない」状態を抜け出すにはいくつかポイントがあります。
ぜひ自分の仕事に当てはめながら、考えてみてください。
仕事で「何がわからないのかわからない状態」になっている原因【私の失敗談を語る】

あなたが仕事がわからないのは、ズバリ仕事の全体像や目的、ゴールの理解が不足していることが原因です。
私の1年目の仕事
私が1年目の頃、産業機械の保守を行うエンジニア向けに、保守作業手順ビデオを作成する仕事をやっていました。
保守作業を手順通りにやらないと、お客様の産業機械をエンジニアが壊してしまう恐れがあるので、作業手順書の整備はかなり大事な仕事です。
紙の作業手順書ではエンジニアがわかりにくいという課題感があったので、ビデオで作業手順書を作ろうということになり、1年目の私が主担当として、担当することになりました。
当時の新人の私はこんな感じ。
- 産業機械の知識ゼロ
- 動画作成の経験ゼロ
- 保守作業経験ゼロ
- 作業手順書作成経験ゼロ
知識も経験も何もなかったので、当然どうやって仕事を進めたらいいかもわかりません。
よし!じゃあ上司や先輩に相談しよう!
そう思い立った私ですが、上司や先輩も私と同じようにこの領域の仕事は、全く経験も知識もなかったので、あまり頼りになりません。(なので、私に仕事がまわってきたんですね・・・。)
何をどうしたらいいのかわからない→結局大失敗
こんな感じの状況なので、私は動画を作成するために「何をどうしたらいいのかさっぱりわからない」状態で取り組み始めました。

なんかこの状態で仕事進めたらヤバイ予感がする・・・。
この予感は的中し、本当に何が自分でわかっていて、何がわかっていないのかもわからないまま、手探りでやっていたので、トラブルが頻発しました。
・計画したスケジュールにかなりムリがあり撮影が進まない。
・動画撮影のためのエンジニアやロボットが手配できない。
・実はエンジニアが作業手順をわかっておらずかなり自己流で作業している
・・・etc。
どのトラブルもボトルネックがわからず、目先のトラブルだけに対処した結果、根本の原因が潰せず、またトラブル発生・・というループが続きました。
そして、トラブルの対処に追われ、この仕事のゴールや目的を見失ったまま仕事をしていました。
結果的にどうなったかというと、なんとか納期には間に合いましたが、動画の品質的にかなりビミョーなものができました・・。
結局さらに動画の撮り直しが発生して、追加費用がかかるという、かなりの大失敗で、色々な人に迷惑がかかりました。
この仕事をきっかけに、何がわからないのかをクリアにしないまま仕事を進めることの危険性を学びました。
そして、「何がわからないのか」をわかるようにするために、どういうポイントをクリアすべきか、ある程度理解できるようになりました。
仕事が面白いほどわかるようになる方法


それが、仕事の全体像、目的、ゴールを120%おさえるということです。
これが120%おさえられていたら、例えわからないことができても、仕事の全体像、目的、ゴールからさかのぼって、何が自分は理解できていないか、自分で理解できます。
あとは自分がわからないことを潰すだけです。
仕事がわからない人に見えている景色
もう少し仕事の全体像、目的、ゴールの大切さを知ってもらうために、下に氷山の絵を用意しました。
「仕事がわからない」と言っている人は、氷山のほんの一部=「起こった事象」しか見えていません。


それだといつまでも仕事はわからないままだし、成果はでません。
大事なのはむしろ、氷山の見えていない部分です。
氷山の全体を見通せるようになることで、仕事は必ずわかるようになります。なので、仕事をする時は、氷山全体を見ることを意識してみてください。
次にもう少し「仕事の全体像・目的・ゴール」について詳しく解説をします。
仕事の全体像 ー仕事の全体的なイメージを捉えるー
まず仕事の全体像についてです。
この仕事の全体像には以下の2つの意味があります。
- 仕事の全体的なイメージを捉える
- 今やっている仕事が全体のどこに効くかを捉える
「仕事の全体的なイメージ」は、その仕事を具体的に形にしていくために、自分の頭の中でイメージがついていればOKです。
例えば、私の先ほどの保守作業手順ビデオの作成の仕事では、以下のようなことが自分の中でイメージできていなければなりません。
- 機械の手配
- 機械をメンテする作業員の手配
- メンテ動画をレビューしてくれる人の手配(質を上げるため)
- 動画撮影・編集できる人の手配
そして動画完成までの全体の工数を見積もり、納期からさかのぼって、スケジュールをおおよそ立てられたら、おおよそ全体感が掴めていると言えます。
これが自分の中でイメージできていると、全体感から今の仕事の進捗率がはかれるので、仕事に正確性も生まれ、スピードも早まります。



やったことのない仕事だから、なかなか最初は全体感が描けないよ・・・。
初めてやる仕事ほど全体のイメージが湧かないこともあります。
そういう人は、とにかくその仕事のモデルケースを集めるだけ集めて、徹底的に真似しましょう。
そうすれば、自分の仕事の全体的なイメージが徐々に掴めてくるはずです。
私もとにかく、わからないことがあれば徹底的に真似することを意識していました。
もう少し勉強したい方向け
具体的な真似の仕方は、この本を読んでみてください。
世の中のよくできた仕組みや商品、サービスというのは大体「模倣」から生まれています。
この本では、模倣から生まれた素晴らしいビジネスの事例から、実際の仕事でもどのように模倣をして、創造性のある仕事をするのかということが書かれています。
かなり勉強になるので、一度読んでみる価値があると思います。
仕事の全体像 ー今やっている仕事が全体のどこに効くのかを捉えるー
そして仕事の全体像を捉えるのと同時にやってほしいのが、
「今やっている仕事が全体のどこに効くのかを捉える」ということです。
これを理解できていない人は、厳しい言い方ですが、ただ自分の仕事の「タスク」をこなしているだけですね。
仕事は自分以外の他者に貢献して、成果を出して、その対価として給料支払われるものなので、個人的にこの意識はかなり重要だと考えています。
例えば私の仕事の例を出すと、保守作業手順ビデオを作成するのは、そもそもエンジニアの保守スキルを高めるためにやっています。
そして、エンジニアの保守スキルが高いと、営業員は保守サービスをお客さんに提案しやすくなるわけです。
例えばこんな感じ。



ウチのエンジニアの保守スキルが高いから、お客さんで保守やってもらわなくなっても、私たちにまかせてもらったほうが安心安全ですよ〜
そうすれば保守サービスの売り上げもアップして、それが全体の売り上げ貢献にもつながってくる・・と、ここまでイメージして仕事できているかです。
こんな感じでとにかく、自分の仕事が全体のどこに貢献しているかを意識しながら仕事をすることがかなり重要。
そうすれば、自分が求められている仕事のクオリティが理解できますし、その基準に合わせて、自分の仕事のクオリティを高めることもできます。
ここまでできれば、かなり仕事もわかるようになるのではないでしょうか?
仕事の目的
そして次が仕事の目的です。
あなたはなぜその仕事をやっているのか常に意識できていますか?
ただ上司や先輩から言われたことをそのままやっていませんか?
もしそうだった場合は、少しでも「今やる仕事をなぜやっているのか?」という目的に立ち返りましょう。
その仕事をやる目的が明確であれば、その目的を達成するために今の自分の仕事で何が必要かが見えますし、それによる具体的行動もわかるはずです。
どんな仕事にも目的は存在します。
どんな仕事でも「なぜそれをやるのか?なぜそうなっているのか?」という目的を振り返るクセをつけてみてください。
それだけで頭が整理されて、「何がわからないかがわからない」ということが防げます。
目的を意識することは真のトラブル対応にもなる
仕事をしてたら多かれ少なかれ、トラブルに遭遇します。
その時に目先のトラブルだけを対処するのか、仕事の目的を意識してトラブルの対処するかで、大きく結果は変わります。
例えば、納品トラブルでお客さんが怒っていたとします。
その時に目先のトラブル対応だけに捉われる人はこんな感じ。



大変申し訳ございませんでした・・。
しかし、売り上げを上げるために、お客さんとの信頼関係を築くことが大切だとわかっている人はこんな感じです。



大変申し訳ございませんでした。
今後このようなトラブルが発生しないように具体的な再発防止策を持ってきました。今後このようなことがないよう、再発防止を徹底します。
平謝りだけなら、目先のトラブルは回避できるかもしれませんが、今後また同じトラブルが発生すれば、より怒られて信頼もなくなること間違いなしです。
しかし再発防止策を提示して、きっちり実行すれば、トラブルの根本も潰せるし、お客さんとの信頼関係もさらに強固になりますよね。
前者と後者の違いは「今の仕事をなぜやるのか?」という意識の違いだけです。なのに結果は全然変わってきます。
仕事のゴール
最後がゴールへの意識です。
ゴールというのはその仕事の最終的な着地点です。
あなたは仕事を行う時に最終的な着地点をどのように設定をしていますか?
ゴールを設定できていないと、仕事が間延びし、自分がどこに向かっているのかわからない状態になります。
例えば、山を登るにしてしても頂点を目指して登るのか、ただなんとなく登るのでは全然気持ちも変わりますよね。それは仕事でも同じです。
最終ゴールさえあれば、そのゴールから逆算して、現地点とのギャップを埋めるためにどうすればいいかが見えるので、方向性を見失わないで仕事ができます。
仮にそのギャップをどう埋めたらいいのかわからなくても、簡単に自分で仮説は立てられるでしょう。あとはその仮説を実行するだけです。
それだけで全然仕事の質は変わってきます。
【ここに注意!】仕事がわからない時の質問の仕方





仕事の全体像・目的・ゴールをおさえたら、仕事の大枠は理解できるようになったよ。
でも具体的なHowの部分は、どうやって理解していったらいいの?
Howがわからない時は、上司や先輩に聞くことで解決できる場合が多いです。
次は上司や先輩に「聞く」時のポイントを少し解説しておきます。
「教えてください!」だけだと確実に嫌がられる
「具体的なHowがわからないのでおしえてください!」という態度だと確実に嫌がられます。
理解しておかないといけないのは、上司や先輩は「あなたの先生ではない」ということです。
なので1つ聞くにしても、ひと工夫必要。それが以下2つを意識することです。
- 全体像・目的・ゴールは自分で理解していることを示す
- 目的・ゴール達成のために、具体的なHowは自分で〜のように考えてるけど、どうですか?という、自分の意見を示す
特に②はかなり重要なので、絶対覚えて帰ってください。
具体例を出します。
今仕事をやっている中で〇〇という課題があって、〇〇という目標を達成するためには超えなければならない壁だと思うんです。
私はこの課題を解決するために〇〇ということを考えているんですが〇〇さんはどう考えていますか?もしご意見あれば教えてほしいです。
この聞き方ができれば、うざがられないですし、必ず上司や先輩からいい答えが引き出せます。
大切なのは、自分でしっかりと考えた上で、その考えたことをどう磨いて成果につなげるかという思考です。
別に自分の仮説は、精度が高くなくても最初は構いません。まずは「自分で考える」という習慣づけが重要。
仕事をする上での問題解決の主体者はあくまで「あなた」ということを忘れてはいけません。
質問の仕方についてもっと勉強したい方向け
もっと聞き方について勉強したい方は、この本を読むと勉強になりますよ。
この本の内容がきっちり理解できて実行できれば、仕事は確実にうまくいくようになります。それほど内容の濃い本です。
私もこの本に出会ってから、聞き方を試行錯誤することで、仕事の成果が出始めました。
ぜひ聞き方を勉強したい人は読んでみてください。
まとめ


最後にもう一度だけ「仕事がわからない」を脱出するための方法を、まとめておきます。
- 仕事の全体像を捉える
仕事の全体的なイメージを捉える
今やっている仕事が全体のどこに効くかを捉える - 仕事の目的を抑える
目的をおさえることで、今の自分の仕事に何が必要なのかが自然と見えてくる。
「なぜ今その仕事をやるのか?」という問いかけを常にすることが重要。 - 仕事のゴールを抑える
ゴール、すなわち仕事の最終地点をおさえることで、仕事の方向性を見失わずに仕事ができる。 - 聞き方を工夫する
全体像・目的・ゴールは自分で理解していることを示す
目的・ゴール達成のために、具体的なHowは自分で〜のように考えてるけど、どうですか?という自分の意見を示す
先ほども少しお伝えしましたが、一度自分自身の仕事に当てはめて、紙に書きながらゆっくりと整理する時間をとってください。
そうすれば、少しずつ自分は何がわからなかったのかが明確になり、それを解決するためにどうすればいいのかも浮かんでくるはずです。
これが自分の頭の中で、瞬時に理解できるようになれば、あなたはかなり仕事ができるようになっています。
今が成長の分岐点だと捉えて、頑張ってみてください。