日本の高配当ETFってどうなの?【保有するメリット・デメリットを解説】

アメリカの高配当ETFは良いってよく聞くけど、「日本」の高配当ETFはどうなの?詳しく教えてほしいです!

こんな疑問にお答えする記事です。

日本の高配当ETFを保有するメリットやデメリットについて、アメリカの高配当ETFと比較をしながら解説していきたいと思います。

目次

そもそも「ETF」とは?

ETFについてご存知の方は読み飛ばしてください。株初心者の方に向けて、念の為解説しておきます。

ETFとは、Exchange Traded Fundの頭文字を取ったもので、日本語に直すと、「上場投資信託」と言います。
つまり、証券取引所に上場した投資信託ということ。

「一般的な投資信託とは具体的に何が違うのか?」ということについては、違いを表でザッとまとめました。

ETFはリアルタイムで取引ができ、信託報酬が一般的な投資信託よりも低く設定されているというのが、主な特徴です。
また一般的な投資信託は配当金を自動で再投資するのに対し、ETFは配当金を定期的に(年に数回)受け取ることができます。

そして日本の高配当ETFとは、日本の証券取引所に上場する数十の高配当銘柄で構成される投資信託のことです。
イメージとしては、以下のようなお弁当を買っているイメージですね。

代表的な日本の高配当ETF【日経高配当株50ETF】

日本の高配当ETFの代表的なETFとしては、「日経高配当株50ETF」という商品があります。
この商品はその名の通り、日経平均の約50の高配当銘柄に投資する商品です。

年一回の銘柄定期見直しを行ってくれるので、赤字を連発している銘柄等は排除してくれます。
配当利回りは4%前後と記憶しておいてもらえればとよいと思います。

日本の高配当ETFを保有するメリット

メリット1:少額で高配当銘柄に分散投資が可能

1つ1つの高配当銘柄に投資しようとすると、数百万円の資金が必要になります。
個別の高配当株投資をすると、減配リスクを抑えるため、分散投資が基本になるためです。

しかし、ETFであれば少ない資金で分散投資が可能です。

日経高配当株50ETFの現在の基準価額が35,850円(※2021年5月26日現在)なので、今だと約3万円から分散投資が可能になります。

しかもETFを買うだけで、

・高い分配金が得られる銘柄選定
・定期的な銘柄入れ替え

を勝手にプロがやってくれるので、投資初心者には本当にありがたいですよね。

メリット2:安定した利回り

先ほども解説したとおり、日経高配当株50ETFの配当利回りは4%前後とお話しました。
これはアメリカの有名な高配当ETFであるVYMやHDV、SPYDと比べても安定した配当利回りと言えます。

以下アメリカの高配当ETFの平均配当利回りです。
SPYDは突出していますが、他のVYMやHDVと比べても配当利回りは遜色ないことがわかります。

またファンド設定元来の配当利回りを見ても、ほぼほぼ4%前後で推移しており、安定したパフォーマンスを発揮していることがわかります。

日経高配当株50指数と日経平均株価の配当利回り比較
出典:https://shintaro-money.com/nikkei225hdy-1489/

メリット3:外国税がかからない

また当たり前ですが、日本の高配当株ETFは、投資対象が日本なので外国税がかかりません。

ちなみにアメリカの高配当ETFだと外国税控除の申請をしないと、国内税約20%+外国税10%の合計約30%もの税金が取られてしまいます。以下は配当金にかかる税金のイメージです。

もちろんアメリカの高配当ETFに投資をするのであれば、配当金受取時にちゃんと外国税控除の申請をすればいいのですが、それが少々面倒くさいです。なので、そういう手続きが手間な人にとっては、日本の高配当ETFは向いているかもしれません。

日本の高配当ETFを保有するデメリット

デメリット1:保有コストが割高

こちらが日本の高配当ETFとアメリカの高配当ETFの保有コストの比較です。

アメリカの代表的な高配当ETFは、経費率が0.1%以下であることを考えると割高なのがわかると思います。
(VYMと比べると約5倍のコスト・・・!)

投資初心者の人はたったの0.3%と考えるかもしれませんが、配当利回りを0.3%上げると考えたらすごい大変なので、投資を長く続ける人にとっては、「0.3%」は大きな数字です。しかも毎年かかるコストなので、やっぱり安いに越したことはありません。

デメリット2:不人気銘柄も多く分散も効いていない

また「日経高配当50ETF」には、低成長な銘柄や過去不祥事を起こして大きく減配した企業銘柄も含まれます。
このETFを買うということは、そのような銘柄にも投資をするということになります。

また「日経高配当50ETF」をセクター別で見てみると、景気敏感銘柄(卸売・銀行・保険など)に偏っていて、必ずしも分散が効いているとは言い難いです。以下はセクター別のグラフです。

https://nextfunds.jp/semi/data/2021/etf_40_img05_2012.png
出典:NEXT FUNDS

景気敏感銘柄に偏りがあるということは、不景気時に大きな減配リスクがあるなど、配当金が安定しません。
高配当投資で重要なことは、不景気でも安定的なキャッシュを得られることにありますので、あまり景気敏感銘柄中心のETFには投資をしたくないですね。

デメリット3:トータルリターンが劣る

またトータルリターンが、アメリカの高配当ETFと比べて劣ることも知っておかないといけません。
以下日経高配当50ETFの設定来(2017年〜)のトータルリターングラフです。

アメリカの高配当ETFと比べて、トータルリターンが劣っていることがわかります。
そもそも日経平均は、下のグラフを見てもらえば分かる通り、過去30年間で低成長が続いています。

ナスダックとNYダウがいつも日経平均より強い理由:コロナで第4次産業革命が加速 | トウシル 楽天証券の投資情報メディア
出典:楽天証券

さらに今後も日本の少子高齢化が進み、労働人口が減少をすることで低成長は続くだろうと言われています。
そのような環境の中で、”長期的に見て「日本」が果たして適切な投資先なのか?”を考える必要があると思います。

個人的には今後もアメリカが伸びるという風に見ているので、「アメリカ」を投資先の中心と考えています。
その詳しい理由については、以下の記事で解説をしているので興味のある方は読んでみてください。

まとめ

日本の代表的な高配当ETFである「日経高配当株50ETF」と米国高配当ETFの情報をまとめたのが、以下です。

僕は日経高配当株50ETFには投資をしないと思います。

外国税額控除の申請など、すこし手間はかかりますが、キャピタルゲイン(値上がり益)とインカムゲイン(配当収入)の両方を狙うために、米国の高配当ETFに投資をします。

米国高配当ETFについては以下の記事で詳しく紹介しているので、興味のある方は読んでみてください。

ということで今回は以上です。

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この記事を書いた人

関関同立▶日系大手メーカーに就職。
30代の内に金融資産3750万円を築いて、不労所得12.5万円+労働所得12.5万円で生活する「サイドFIRE」を目指して、日々奮闘中です。

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