複利は人類による最大の発明だ。
アルベルト・アインシュタイン
知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う。
20世紀最大の物理学者であるアインシュタインの言葉です。
アインシュタインは、自身が発見した相対性理論ではなく、古くからある複利効果を「人生最大の発明」と呼びました。
ではその「複利効果」について、この記事では解説していきたいと思います。
複利とは?【単利との違い】
利息には大きく2つがあります。
- 単利
- 複利
単利は、元本にのみ利息がつきます。
イメージとしてはこんな感じ。

一方複利は、元本+利息にまた利息がついて、増えていきます。

複利の方が、雪だるま式にお金が増えていくことがわかると思います。
複利によるリターンはどんどん大きくなる
実際にグラフを見てみると、複利によるリターンは凄まじいことがわかります。以下は元本100万円を年利10%で見た時の30年グラフです。

青色の折れ線が「単利」で、オレンジ色の折れ線が「複利」です。
単利で回すか、複利で回すかで差が歴然なのがわかります。
単利は30年後に400万円だったのに対し、複利は30年後に2000万円近くに増えました!差は約5倍です。
複利も利回りが低いと、効果は落ちる
とはいえ、複利も利回りが低いと、効果は落ちます。
以下は元本100万円を30年間、年利1%で回したグラフと年利6%で回したグラフです。

青色の折れ線が「年利1%運用」で、オレンジ色の折れ線が「年利6%運用」です。
どちらも複利で増えていますが、年利1%で運用した場合は、30年後に約130万円になったのに対し、年利6%で運用した場合は、30年後に600万円を超える結果になりました。
要は利回りの低い金融商品では、資産拡大は難しいということです。
以下が定期預金と株式に投資した場合の平均的な年利です。
- 定期預金:年利0.1%以下
- 株式:年利6%(※S&P500に連動する投資信託を購入した場合)
もちろん株式は振れ幅もあります。
しかし、もし資産拡大を狙う場合、上記の事実を知っていたら「定期預金に入れよう!」とはまず思わないですよね。
この事実を知っているか、知っていないかがまず重要になります。
72の法則について
こちらは、複利に関連して知っておきたい法則なので、参考程度に。
72の法則とは、投資元本を複利で2倍にする期間をおおよそ求める法則です。
以下の計算式で計算ができます。
72÷金利(%)≒ 投資期間(年数)
例えば、年利6%の株式があった場合、投資元本を2倍にするには、12年かかる計算になります。
複利の計算が少々複雑なため、この法則を覚えておくと結構便利です。
複利の計算方法【簡単にExcelで計算する方法】
複利の計算をExcelで行い、自身の資産シミュレーションをしたいと思う人は多いと思うので、簡単に作れる「複利計算シート」の作り方も解説しておきます。
STEP1:初期投資額、月間積立額、利回りの枠を作る
A1:C2の枠に、初期投資額・月間積立額・利回りを入力できる枠を作ります。

STEP2:年・年初残高・年増加額・利息・年末残高・投資元本の枠を作る
4列目以降に、年・年初残高・年増加額・利息・年末残高・投資元本の枠を作ります。
A列には年数を入れていきます。

STEP3:年初残高に数式を入れる
B5にはA2を参照します。
B6以降は前年の年末残高を参照します。
例えば2年目の年初残高(B6)には、1年目の年末残高(E5)を参照します。

STEP4:年増加額に数式を入れる
C5以降に以下の数式を入れます。
年増加額=月間積立額×12(ヶ月)の計算式です。
=B$2*12

STEP5:年末残高に数式を入れる
E5には以下の数式をいれます。
=$A$2(1+C$2/12)^(A512)+B$2/(C$2/12)((1+C$2/12)^(A512)-1)
初期投資額x(1+月利回り%)^積立期間(月)+月間積立額x{(1+月利回り%)^積立期間(月)-1}の計算式です。
E5以降の列にも参照してください。

STEP6:利息に数式を入れる
D5には以下の数式を入れます。
=E5-SUM(B5:C5)
年末残高ー(年初残高+年増加額)が利息です。
D5以降の列にも参照してください。
STEP7:投資元本に数式を入れる
F5はC5を参照します。
F6以降はは前年の投資元本+今年の年増加額を参照します。
例えば2年目の投資元本(F6)には、1年目の投資元本(F5)+2年目の年増加額(C6)を参照します。

複利計算シートはこれで完成です。
これで初期投資額・月間積立額・利回りを入力すれば、簡単に自分の資産シミュレーションが出来ます。
最後に
複利効果を発揮させつつ、コツコツ積み立てていくのが「投資の王道」です。
積立で重要な「ドルコスト平均法」の考え方については、以下記事で解説しているので、ぜひどうぞ。
