【配当利回り5%超え!】米国高配当ETFのPFFを完全解説

配当利回りが5%超えということで、一定の人気を誇るのが、米国高配当ETF「PFF」です。
米国高配当ETFである「VYM」「HDV」「SPYD」に隠れながらも、一定の人気がある理由や投資をする上での注意点について、メリット・デメリット交えて解説していきます。

目次

米国高配当ETF「PFF」とは?

正式名称は「iシェアーズ優先株式&インカム証券ETF」と言います。
このETFの特徴は、優先株式を集めたETFであるということです。

優先株式というのは、配当金などの権利を普通株式より優先的に受け取れる株式のことを言います。
その代わり、株主総会などの議決権が存在しないなどの制限もあったりします。

投資先の経営に興味はないから議決権はいらないけど、その代わりに配当金をより多くもらいたいという人には、優先株式に投資をするのがオススメになります。

PFFはそのような優先株式を集めたETFということですね。

構成銘柄は金融セクターの銘柄を中心に構成されており、そのほとんどが米国株になります(下図)

出典:BlackRock

米国高配当ETF「PFF」に投資するメリット

メリット1:高い配当利回り

やはりPFFに投資をする理由として多いのは、高い配当利回りです。

2020年の実績で言うと、配当利回りは4.93%の高い数字が出ています。タイトルにもある通り、過去10年の配当利回りの平均は5.95%で、SPYD以上の高い配当利回りとなっています。

ちなみに、PFFは配当金が毎月出ます。
VYMやSPYDは3ヶ月に一度の配当金の拠出なので、毎月のお給料感覚で配当金が受け取れるのは、何か嬉しいですよね。

メリット2:平常時の値動きが小さい

またPFFは平常時の値動きが非常に小さいETFとしても知られています。
大体35-40ドルで推移をしています。

つまりはボラティリティが低いということなので、金融危機を除く下落局面でも精神的に安定して、投資を続けることができます。

自分は下落局面で資産が減っていくことが耐えられない!でも配当金は多く受け取りたい!

こういう投資家には向いているETFだと思います。

メリット3:金融危機以外の弱気相場では強さを発揮

金融危機以外の弱気相場ではかなりの強さを発揮するETFでもあります。
以下は、コロナショック時の2020年1月23日−31日のチャート推移になりますが、VYM等の高配当ETFは軒並み下落をしていますが、PFFは上昇に転じています。

また米中貿易摩擦が起こった2019年5月からの1ヶ月間を見ても、他の高配当ETFは軒並み下落しているのに対し、PFFは上昇に転じています(下図)

このように金融危機以外の弱気相場では無類の強さを発揮するので、弱気相場で他の高配当ETFが下落しても、PFFを持っておけば心の安定がはかれます。しかも高利回りが期待できるのもいいですよね。

米国高配当ETF「PFF」に投資するデメリット

デメリット1:金融危機に弱い

金融危機以外の弱気相場では無類の強さを発揮していきましたが、金融危機には弱いという特徴があります。
理由は、PFF自体が主に金融銘柄で構成されているからです。

以下はリーマン・ショック時のチャート推移です。
チャートを見るとS&P500よりも暴落をしていることがわかります。

リーマン・ショック時の下落率は、S&P500が−54.25%まで下落したのに対して、PFFはなんと−68.24%まで下落をしています。いかに金融危機には弱いETFであるかがわかりますね。

デメリット2:経費率が高め

ご覧の通りです。
他のETFと比べると、約4倍ほど経費率が高くなっています。

100万円を運用した場合、VYM等の高配当ETFは年間で600円ほどしかかからないのに対して、PFFは4600円もかかるということですね(やっぱり高い)

もちろん運用金額が高ければ高くなるほど、運用にかかるコストは高くついてしまいます。

デメリット3:トータルリターンは劣る

またPFFが配当利回りが高いのに、思いの外投資されない理由として、トータルリターンがS&P500や他の高配当ETFと比べてかなり劣るということが挙げられます。

長期的なチャートで見てみると、値上がり益は、S&P500の圧勝で次点でVYM・HDV・SPYDと続き、また差が開いてPFFということになります。

以上のチャートから分かる通り、PFFは高い配当利回りは期待できるけど、値上がり益(キャピタルゲイン)は期待できないということがわかります。

デメリット4:配当金は減配傾向

また僕がPFFには投資をしない最大の理由として、配当金が減配傾向であることが挙げられます。
以下がファンド設立年からの配当金の推移グラフですが、徐々に減配され、10年で36%ダウンを記録しています。

5年の増配率で見ると、PFFは-17.5%です。
これは他の高配当ETFと比べても、かなり低い数字です。

増配率が高ければ高いほど、最初の配当金は少なくても長期的に見れば、複利的に分配金は伸びていきます。
なので、僕の場合は増配率をかなり重要視しています。

増配率を加味した配当金のシミュレーションは以下に記事にしています。
そこで増配の重要性について、理解してもらえると思います。

まとめ

もう一度おさらいとして、以下に高配当ETF「PFF」の基本情報を載せておきます。

僕は基本的にはPFFには投資をしません。

理由としては長期的に高配当投資をしていくには、増配率こそが重要だと考えているからです。またPFFメインのポートフォリオを組むと、値上がり益(キャピタルゲイン)は期待できません。

ただPFFの特徴は平常時の安定した値動き(ボラリティリティの低さ)にありますので、金融危機を除く下落局面でも安定したパフォーマンスを発揮するPFFをスパイスとして、ポートフォリオに組み入れるのはアリかもしれません。

以上、PFFを投資するか迷っていた人の参考になれば幸いです。

高配当株投資の始め方

SBI証券は米国高配当ETFを定期的に積み立てていきたい人にオススメです。
ちなみに米国高配当ETFを購入するための為替手数料は、証券会社の中で最安です。

米国高配当ETFの買付方法については、以下の記事で詳しく解説をしています。
ぜひ参考にしてみてください。

本記事に登場したVYM/SPYD/HDVについてまとめた記事は以下の通りです。

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この記事を書いた人

関関同立▶日系大手メーカーに就職。
30代の内に金融資産3750万円を築いて、不労所得12.5万円+労働所得12.5万円で生活する「サイドFIRE」を目指して、日々奮闘中です。

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