
つみたてNISAを始めてみて、株に興味を持ち始めたので、他にも投資対象を広げたい!
こういう人にオススメするのが「米国高配当株ETF」です。
米国高配当株ETFの概要や、始めるメリット・注意点等を解説していきたいと思います。
米国高配当株ETFとは?
まずは「ETFって何?」というところから。
ETFとは、Exchange Traded Fundの頭文字を取ったもので、日本語に直すと、「上場投資信託」と言います。
つまり、証券取引所に上場した投資信託ということ。


「一般的な投資信託とは具体的に何が違うのか?」ということについては、違いを表でザッとまとめました。


ETFはリアルタイムで取引ができ、信託報酬が一般的な投資信託よりも低く設定されているというのが、主な特徴です。
ではETFの特徴がわかったところで、最後に「米国高配当株ETF」について。
米国高配当株ETFというのは、つまり、アメリカの証券取引所に上場する高配当銘柄、数十〜数百で構成される投資信託のことです。
イメージとしては、以下のような「お弁当」を買っていると思っておきましょう。


米国高配当株ETFのメリット
次に「なぜ株初心者に高配当株ETFをオススメするのか?」、そのメリットについて解説をします。
メリット1:簡単に始められる
高配当株投資は、個別銘柄への投資でも可能です。
個別銘柄の高配当株投資の方が、配当利回りが良いことも事実ですね。
例えば、米大手通信のAT&Tに投資した場合、配当利回りは7.09%(2021年2月22日現在)


この配当利回り7.09%は、米高配当株ETFでは出せない数字です。



じゃあ個別の米高配当銘柄に投資した方が良いじゃん!
こう思う人もいるかもしれませんが、個別の高配当銘柄投資は色々と難しい側面があります。
- 株価下落リスク
- 配当減配リスク
上記のようなリスクを回避するために、最低でも10銘柄以上の高配当株に投資をし、リスク分散をする必要が出てきます。
しかし、分散をさせるためには
・10銘柄以上に投資をする資金
・銘柄選定スキル
が必要になってきます。
しかし米国高配当株ETFは、下記のメリットが出てきます。
- 個別に銘柄選定が必要ない
(ファンドが選んだ複数銘柄をパッケージで購入) - 少額から始められる
(1株から購入でき複数銘柄に分散できる)
なので初心者の内は、個別の高配当株投資ではなく、高配当株ETFをオススメします。
「なぜアメリカが投資先なのか?」という疑問に対しては、こちらで詳しく解説をしています。


メリット2:生活が良くなる実感を持てる
例えば200万円を高配当株に投資して、配当利回り5%の場合。
年間10万円の配当所得を得ることができます。(※税考慮しない)
この10万円があれば、例えば月1回分の家賃を浮かせることができます。
そうすれば少なからず、生活が良くなる実感を持てると思います。
またこのようなインカム収入が増えれば、生きる上で安心材料にもなります。
- 職場環境が合わない
- 突然のリストラ
- 新しいことへの挑戦
このような時にインカム収入があれば、自分の大きな支えとなってくれます。
そういった意味で、簡単に始められてインカム収入を増やすことができる「高配当ETF」は良い投資対象に成りえます。
メリット3:配当金は確定利益
企業から分配される配当金は「確定利益」であり、都度現金化されます。
一方で、インデックス投資等で得られる含み益は「非確定利益」であり、市況により含み損になる可能性もあります。
上記の事実は投資をする上でのメンタルに影響されます。
実際セミリタイアを目指す場合、「自身の生活費は月にいくらだから、配当金は月にいくら必要で、いくら高配当株に投資しないといけない」という算段が取りやすいです。
一方でインデックス投資の場合、資産の増減が市況に左右されます。
なので、セミリタイア時に暴落相場だった場合は、引退計画の変更を余儀なくされ、「いつ売却して現金化するのか」ということに気を揉ませないといけません。
また蓄積した資産を切り崩していくことに、メンタルが耐えられるか?という問題もあります。(インデックス投資の出口戦略は、下記に記していますが・・)


もちろん高配当株投資にも減配リスクはありますが、大幅な減配がない限り、配当収入は積み上がり、着実にセミリタイアの計画を遂行できます。
あとは大幅な減配リスクをどう抑えるか?
答えは簡単でプロのファンドに運用を任せるということです。
高配当株ETFは、ファンドが都度銘柄入れ替えを行っていますので、初心者でも安心して投資ができます。実際、VYMという米国ETF商品は10年連続で増配中です。
米国高配当株ETFの注意点
一方で注意点もあります。
注意点1:トータルリターンはインデックスファンドに劣る
上記の通りです。
S&P500に連動するインデックスファンド(VOO)と、米高配当株ETFの代表的な3商品(VYM・HDV・SPYD)のトータルリターンを比較してみましょう。


トータルリターンは、S&P500に連動するインデックスファンド(VOO)の圧勝であることがわかります。
なので資産拡大を狙う場合は、S&P500に連動するインデックスファンド(VOO)に投資をするのが賢明です。
注意点2:高配当銘柄は成長が期待できない
注意点1に関連しますが、上記のトータルリターンに差がでるのには理由があります。
それは高配当銘柄は、成熟した企業が多く、株価成長の余地があまりないのです。
実際、先程紹介した米通信大手のAT&T。
5年推移で見ると、1株37ドルから29ドルに下落していることがわかります。
なので、このような成熟企業は株価成長の代わりに、利回りの良い配当金を出して、株主還元しているという側面があります。


一方でAmazonなどの成長株は無配を続けています。その代わり、株価成長は著しいです。(5年推移:1株555ドル→3180ドルに大きく成長)


注意点3:米国高配当株の配当金受取には税金がかかる
また米国高配当株の配当金受取には税金がかかります。
例えば、10万円の配当金を受け取る場合。
以下のような税金のかかり方になってきます。


- 外国税:10%
- 国内税:20.315%
上記が毎回の配当受け取りでかかるため、資産拡大を遅らせる大きな要因になります。
2021年1月から外国と日本の両方で「二重課税」されていたものが、控除される制度が始まっています。確定申告により、払いすぎた税金を取り戻すことができます。詳しくはコチラ。
最後に
上記を鑑みて、資産拡大を狙うのであればインデックス投資一択です。
ただ目に見える成果を得て、生活が良くなる実感を得たいのであれば、米国高配当株ETFをオススメします。
まずは自らの「投資目的」を定めて、その上で自分にあった投資スタイルを見つけてみてください。


米国高配当株ETFのオススメ商品はコチラで解説をしています。


配当金生活を送るためには、具体的にいくら必要かも解説をしています。

