日本に住み、日本円で生活する我々日本人は、「為替リスク」を避けられません。
米国株投資をしている人で「為替リスク」と聞いて、ピンとこない人のために、米国株投資の為替リスクについてや、為替リスクに対する僕の考え方について解説をします。
米国株投資の為替リスクとは?
そもそも為替リスクとは、円と外貨の為替相場の変動によって、外貨建ての資産の価値が変動することを言います。
S&P500に連動する投資信託なども、実は日本円で買っているように見えて、裏では米ドルで積立が行われています。
なので、いずれは外貨建ての資産を取り崩す必要が出てきます。その際に為替リスクは必ず考慮しておかないといけません。
為替リスクをもう少しイメージするために、図を使います。
仮に1万ドルの米ドル資産を持っていたとしましょう。そうすると、円安・円高で以下のように資産が変動します。

要するに円安になれば、米ドルの資産価値は上がるが、円高になれば、米ドルの資産価値は下がるということですね。
為替リスクはバカにできない【データで解説】
この為替リスクによって、S&P500やNYダウなどの株価指数に大きな値動きがなくても、資産が減少する局面も出てきます。

上のグラフを見てもらえばわかりますが、円建てのS&P500指数はドル建てのS&P500指数と比べて、大きく値を上げ下げしていることがわかりますね。そして、S&P500指数で大きな暴落は見られないのに、円建てのS&P500指数だと大きく暴落している局面もあります(また逆も然り)
過去10年で見ても、レンジは1ドル80円〜120円と大きく幅があります。
ただでさえ株価の値動きが激しい中で、為替変動をあわせると、さらに値動きが激しくなります。
そうなると、為替の変動だけで大きく資産が減ったりすることもあるので、結構バカにできないのが為替リスクです。
過去多くの場面で、円建て資産はドル建て資産を下回る
また過去20年、30年の長期で見ると、多くの局面で円建て資産はドル建て資産を下回ります。
S&P500に投資をしていても、「あれ?資産が全然増えていない、、、」と思ったら、それは為替リスクの影響かもしれません。
以下はS&P500に投資していた場合の、ドル建てと円建てのパフォーマンス比較です。
1990年〜2020年(期間:30年)

1985年に、プラザ合意で先進国がドル安で協調することを決め、それ以後も1995年あたりまで円高が進んだため、円建て資産はほとんど増えませんでした。
見てもらったら分かる通り、過去30年でみるとどの局面でもドル建て資産の方が円建て資産を上回ります。
2000年〜2020年(期間:20年)

ITバブルによって、最初の5年間は資産が全く増えず、その後もリーマンショックによって急激に円高が進み、円建て資産はドル建て資産を大きく下回っていました。
2000年から米国株投資を始めていた場合、資産が増え始めたのは約14年後になります。
米国株投資の為替リスクに対する僕の考え方

じゃあ米国株投資を始めるよりも、初めから円で始められる「日本株投資」の方がいいんじゃないの!?
こういう声も聞こえてきそうですが、それでも僕は「米国株投資派」です。
為替リスクを考慮しても、それを上回るリターンが米国株投資にはあると思っています。
圧倒的な米国株投資のパフォーマンスの高さ
実際に以下の株価指数を比べてみましょう。
・S&P500(アメリカ)
・TOPIX(日本)


約40年の期間で見ると、S&P500が約11倍で、TOPIXが約4倍になります。
その差は約2.75倍です。
日本は今後も少子高齢化が進んでいくことなども考えると、為替リスクを考慮してもアメリカに投資をした方が良さそうですね。その他にも米国経済が今後も揺るぎない要素はたくさんあります。
詳しくは以下記事でも解説をしています。


超長期的に見ると円安に振れる可能性も
またここ10年で見ると、円建て資産の方がドル建て資産よりもパフォーマンスは高くなっています。
2010年〜2020年(期間:10年)


2012年以降は円安に振れて、このような結果になりました。
今後は急激な円高になるどころか、少子高齢化による日本の国力低下によって円安に進む可能性はかなり高いです。
そう考えると、米国株に投資をして、ドル建て資産を持っておくほうが賢明ではないかと考えています。
最後に
最近米国株投資がかなり持て囃され、僕もその流れに乗った人間ですが、、、為替リスクの影響は決して小さくないということは理解すべきかなと思います。
為替リスクも理解した上で、米国株投資をやってみたいと思う人は、簡単に始められるつみたてNISAで、S&P500に連動する投資信託を購入するのがいいでしょう。
つみたてNISAや、オススメのS&P500に連動する投資信託商品については、以下の記事で解説しているので、もしよろしければどうぞ。



